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思いつき短編たち

第1章 月夜の悪戯の魔法-シャンクス@海賊



 ✜

🌸が眠ったあと、夜街を歩いてみた。

酒場の多い通りを歩くと、🌸と同じような格好の女に幾度か声をかけられた。
街一番の娼館で「一番安く買いたい」と言うと、3,000ベリーだと答えた。
🌸は、自分の価値は男に決めさせている、と言ったので、1,000ベリーのみ抜き取った彼女による自身の価値は、そのくらいだということだろうか。

ゴリ押ししてくる娼館の女主人に「手持ちがない」と嘯いて船に戻った。


娼婦になって約4年と言っていた。
毎夜、男に買われていたとして、稼いだ額は160万ベリーに届くかどうかと言ったところ。

あどけない、穏やかな寝顔を眺める。

トントン、とノックされるドア。
何だ、と僅かに開くと、不寝番だった船員がいた。

「副船長が、船を出していいか聞いてこい、と」

日が昇ったか?と聞くと、すでに水平線は明るいと言う。
少し考えて、出港の許可を出した。

🌸の言いぶりから、帰る場所はないのだろう。
いくらかの金があったとしても、たかが知れている。
取りに帰るようなものがあるとしたら、肌身に持っているだろうと判断した。

甲板で出港の準備が始まった。

ベッドで、くうくうと寝息を立てている髪を撫でる。

服や靴は、次の島で思う存分買ってやろう。
もしも、どうしても取りに帰りたいものがあるなら🌸が目覚めてから航路を考えればいい。

彼女が目覚めたら伝えよう。

昨晩、ある島から一人の娼婦が消えたそうだ。
どうやら海賊団に攫われたらしく、その船長は、赤い髪の隻腕の男だと言う。

彼女は、海賊の慰みものになった? まさか。

その娼婦は永遠に、仲間に囲まれ、船長に愛されたのだ。

                   end
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