第2章 #01―マリーゴールド―
「ハンネスさんこんにちは!」
ハンネス「おぉ!カリン、こんにちは!今日もべっぴんさんだな!にぃちゃん元気か??」
よしよしと撫でてくれる。
そんなハンネスさんの後ろにいる3人の兵士は昼間から酒を煽っている。
エレン「え……?!また飲んでる!」
ハンネス「お前らも一緒にどうだ?」
エレン「イヤ……、あの、仕事は?」
ハンネス「おう!今日は門兵だ!一日中ここにいるわけだから、やがて腹が減り、喉も乾く。
飲み物の中に、たまたま酒が混じってたのは些細な問題に過ぎねぇ。」
フラフラとしながら話すハンネスさん。
エレン「そんなんでイザって時戦えんの?!」
ハンネス「……?イザって時ってなんだ?」
エレン「……!!何言ってんだよ……決まってるだろ!奴らが壁を壊して街に入ってきた時だよッ!」
突然の大声にビクッとハンネスさんは肩を縮こめる。
ハンネス「おいエレン!急に大声出すんじゃねぇよ…」
兵士1「ハハハ!元気がいいな医者のセガレ!ヤツらが壁を壊す事があったら、そらしっかりやるさ!
しかしな、そんな事100年間で一度も無いんだぜ?」
エレン「でも!そうやって安心してる時が1番危ないって父さんが言ってたんだ!」
ハンネス「まぁ、確かにそうかもな、街の恩人のイェーガー先生には頭が上がらねぇんだけど、
でもなぁ…。
兵士になれば、壁の補強作業とかで、壁の外をうろつくヤツらを見かける機会があるんだが……
ヤツらにこの50mの壁をどうこう出来るとは思えねぇんだ。」
エレン「じゃぁそもそもヤツらと戦う覚悟なんてねぇんだな?!」
ハンネス「ねぇな!」
エレン「な、なんだよ!もう駐屯兵団なんて名乗るのやめて、壁工事団にしろよ!」
ハンネス「それも悪くねぇ!
しかしな、エレン。兵士が活躍するってことは、それこそ最悪の時だ…
オレたちが役立たずのタダ飯ぐらいってバカにされてる時の方がみんな平和に暮らせるんだぞ…?」
……!!
兵士2「まったく、壁の外に出ようっていう調査兵団の連中の気が知れねぇ…」
……!!
兵士2「勝手に戦争ごっこに興じてろってな!」
エレン「一生壁の中から出られなくても……
飯食って寝てりゃ生きていけるよ……
でもそれじゃぁまるで……」
カリン/エレン「「家畜じゃないかッ!/家畜みたいね…(ボソッ)」」