第4章 #02―シラユリ―
カリンside―
エレン「お前らなんて!見たことも無いくせに!巨人がどうやって人を―!」
エレンの言葉でお兄ちゃんの最後がフラッシュバックする。
「うぅ、オェ……。」
何も食べて無いからか、吐きたいのに何も出ない。
アルミン「カリン……!大丈夫かい?」
背中をさすってくれるアルミン。ありがたいが、あまり見られたいものでもなく、複雑だ。
エレン「こんなもの!」
アルミン「うわっちょっと!」
パンをキャッチするアルミン。
アルミン「勿体ないよ!」
エレン「アイツらから貰ったものなんて食えるか!」
アルミン「飢え死にしちゃうよ!」
エレン「お前ら悔しくないのかよ!俺はシガンシナに戻る!この手で巨人を滅ぼして―」
アルミン「無理だよ!勝てるわけない!」
エレン「お前はいつもそうだよな!一生そうやって生きてろよ!この弱虫!」
アルミン「っ〜!!」
ドパァン!
エレン「うおッ!何すんだよミカサ!」
乾いた音と共に地面に転がるエレン。ミカサのパンチがヒットしたのだ。
ミカサ「アルミンが、弱虫なら私もエレンもカリンも一緒。何一つ自分でやってない。食べて……。エレンを飢え死にになんてさせない。」
エレン「むぐっ―!」
ミカサにパンを突っ込まれながら涙を流すエレン。
アルミン「ねぇ……。カリン、少しでもいいから食べれる?」
アルミンの言葉にパンを口に運ぼうとするけど、吐き気が込み上げてきて嗚咽しかできない。
そんな私をアルミンは抱き締めて
アルミン「カリン。君は幸せにならないと行けないんだ。何があっても、僕は君のそばにいるから。居なくならないから。大丈夫だよ……」
その言葉にハッとする。目頭が熱くなって涙がボロボロとこぼれ落ちる。
「ア、アルミン……っ!うぅ……。お兄ちゃんが、お兄ちゃんがぁあ……!」
アルミン「うん、うん、辛かったね、いっぱい泣いていよ。」
――――――
アルミンside―
カリンは、次の日から少しづつご飯を食べれるようになったし、今までみたいに可愛い笑顔を見せるようになった。
しかし状況は悪くなるばかりで、食糧難を打開するために、王政は、ウォールマリア奪還の名目で、市民を壁外調査に行かせた。死者数は25万にものぼり、ウォールマリア人口のほとんどが死んだ。
皮肉な事に、そのおかげでわずかながら食糧難も改善。
