第4章 #02―シラユリ―
アルミンside―
キョロキョロと船の上から幼なじみ達を探す。
人混みの中に見慣れた黒髪を見つけ駆け寄った。
アルミン「良かった!無事だったんだね…!本当によかった。」
そこまで告げて自分は今間違った発言をしたと気づいた。
カリンの顔が見えない。下を向いて微動だにしない。
アルミン「……カリン?」
ゆっくりと上げられる顔。
―――ッ!
いつもキラキラと輝いていたその瞳は光を通していない。僕を見ているようで見ていない底なしの闇のような瞳にゾッとする。
絶望と恐怖と憎しみだけをぐちゃぐちゃに混ぜたような色。
お兄ちゃんを探しに戻ったカリンが今1人でここに居るということは。つまりもう……。
僕はなんてことを言ってしまったんだろう。
カリンにとってはきっと、自分だけが助かってるという事実は全然良くないのに
しばらくして、エレン達も酷い顔色で船に乗ってきた。
この世界は地獄だ。