第36章 チョコよりも…いちごよりも甘く
袋の中身は…
黒のチャイナドレスだった。
チャイナボタンが赤になってるから
あの赤のファーの手錠とも
相性が良さそうなカラーで。
ってそうじゃない。
これは…衣裳なのか?
それとも下着…なのか???
パッと見は…チャイナドレスだ。
黒のノースリのロングのチャイナドレス。
両サイドに入ったスリットは
太ももの位置…ではなくて。
腰骨の位置だ。申し訳程度に
凄いシンプルなデザインの
黒のTバックが付いてるが。
問題は…そのスリットだけじゃない。
その…布が…布面積は
ロング丈のチャイナだから
多いんだけども…。
スケスケ…なのだ…。
丸見え…の状態だ。
ボディラインも丸見え、
おっぱいも勿論丸見え、
申し訳程度の小さい▼の
Tバックだって丸見えだ。
着てるのに全裸…じゃない?
………と…、
目の前の鏡の中の自分を見て
思ってしまわなくないけど。
これは…確実に…
お二人様でベッドの上とかで
楽しむ感じのご衣裳だな…。
「み…港斗…君…これっ…」
恐る恐る…バスルームから
お部屋の方に戻ると。
『巴さんッ!
チャイナ、着替えられましたか?
素晴らしいですよ!凄い良いですね!
凄い…悩んだんですよ、僕ッ。
前に…赤い下着だったし、
黒とか良いなぁって、でも…
そのショップに…凄い可愛い
イチゴ柄のセーラ服もあったんで
そっちもめっちゃいいなぁ~って』
「え?…ちょ…今、何て…?」
この人…私に、…
イチゴ柄のセーラ服を
着せようと…思ってたって事?
『そうなんですって、
凄い可愛いんですよ、ピンクで。
それも…白い部分が
スケスケになってる感じの』
見ますか?と言いながら
自分のスマートフォンで
そのサイトの商品ページを
彼が表示させて見せて来て。
「こんなの…着れる訳ないでしょ?
私は、36なんだよ?
ただのセーラー服でも
十分痛いのに、ピンクで
イチゴのセーラー服なんてッ…」
こっちが必死に抗議していると、
彼がケラケラと笑って居て。
『そ、れ、が、良いんですよ。
分かってませんねぇ、巴さんは。
10代の子がこれ着たって
なんの値打ちもありませんって』