第34章 神戸北野ホテル
その大きな楕円系の鏡の横には
好きな角度に動かせる
小さめの円形の鏡がついてる。
デラックスバスと言うだけあって
大きな円形のお風呂は
2人で入っても余裕のある広さだ。
「あ、お風呂…
サイズが大きいだけじゃなくて
ジェットバス…なんだね…」
『ええ。だから、それ
今日の為に用意して置きましたよ?
今日は…イチゴとチョコを
頂く日…でしたもんね?』
自分の手にあるピンク色の
液体が入ったボトルは、
イチゴの香りのバブルバスの元で。
お湯がほんのりとピンク色になって
泡ぶろが…楽しめるのだそうだ。
「それで…お部屋でも
イチゴの気分を味わえる様に?
イチゴのバブルバスするって事?」
バスルームには…白い格子の
窓があるから、自然光で
バスルームの内部は明るい。
『まだ外が明るい時間に
こんな所でふたりで
泡ぶろに入ってイチャイチャとか
贅沢だと思いませんかね?』
大きな湯船には
お湯張りに時間が掛かりそうなので。
先に…温度を調節して、
ジェットバスの底に
湯船が大きいから多めの
バブルバスの元をいれてお湯張りをする。
『さ、あっちで
ウエルカムスイーツでも
頂きながら、お風呂待ちしましょうか』
コーヒーを頂きながら、
サービスで置かれていた
クッキーを頂いて。
その頃には良い感じに
お湯張りが出来ていたので。
身体を洗うとか言うよりは
一緒に泡ぶろで遊ぶ的な…
そんな意味合いのイチゴの香りが
弾けるバブルバスに一緒に浸かった。
『良いですね、こう言うのも…』
「身体洗わないで、
そのまま湯船に浸かるって事?
確かにお家だったらダメッって
怒っちゃうかもだけど…。
ここなら許される…感じはする…ね」
『ジェットバスのスイッチ入れますね』
ブクブク…ブク…と
下からジェットが噴出して来て。
一気に水面の上に乗っていた
泡の量が移動しながら
モリモリに盛り上がって行くのが分かる。
『凄いですよッ、泡だらけッ
アワアワですね、巴さん』
「入れすぎたんだってばッ」
『いいじゃないですか~。
今日は…特別なんだから…
これ位…許して下さいよ、巴さん』