第30章 2024年2月2日から2月3日
オープン前から…行列が出来るのだが。
オープン…よりも…30以上前に
ケーニヒスクローネのくまポチ邸に
彼と到着した…訳…なんだけども…。
すでに…
オープン待ちの行列が出来ていて。
『凄いですね…、行列。
まだ、開店30分前ですけど…。
職場の…奥さん達も、ここの事
話題にしたりしてたので、女性に
人気なんだろうな…とは…、
僕も何んとなくには思ってましたけど…』
『あ~!!
巴姉サンに、生田サンッ!
どうしたんですか?まだ時間
オープンまで30分ありますよ?』
そう言って…お店の入り口の
行列の最前列の辺りから、
あの…エビちゃん事葵ちゃんの
身体のサイズの割に良く通る
大きな声が聞こえて来て。
前から3番目の所で、
こっちに手を振っている
葵ちゃんの姿を確認する事が出来た。
列の順番取りなら任せて下さいと
葵ちゃんが言っていた事はあって。
かなり前の方で待機していて。
そこに一緒に合流して、
開店待ちをする。
『私が言ってた時間より
随分早くないですか?おふたりさん』
「だって…、誘ってくれたのは
葵ちゃんだけど。葵ちゃんだけに
行列に並ばせる訳には行かないから」
『そうですよ、3人なら
並んでる時間にも退屈しませんしね』
『ここの…ケーニヒスクローネの
上の階は…ホテルになってるんですよ』
葵が…建物の上を指差して来て。
巴と港斗も…
ケーニヒスクローネの
建物の上を見上げた。
『どのお部屋も…
ケーニヒスクローネのキャラクターが
お出迎えしてくれるコンセプトルームで
女性専用のフロアもありますから、
お泊り女子会にも…良いですよね?
一回…お泊りしてみたいなぁ~』
そう言いながら葵がうっとりしていて。
ホテルケーニヒスクローネは
お部屋のベッドの足置き布や、
クッションやパジャマやスリッパ
至る所にくまポチ君が…
ちりばめられているから。
若い女性ウケは…抜群のホテルだ。
『巴さん。
ケーニヒスクローネって
どんな意味かってご存じですか?』
そんな話を港斗君がして来て、
思わず…あのスティック状のパイを
巴が脳内で思い浮かべながら。
あれが”ケーニヒスクローネ”じゃないの?と