第25章 城崎温泉へ出発!
入口を入ってすぐは
玄武洞ミュージアムと書かれた壁が
まずは…私達を迎えてくれる。
白い壁に描かれている
玄武洞ミュージアムのロゴも
玄武岩をモチーフにした
六角形の形のロゴをしていて。
その壁の脇に…柱の様になって
展示されているものがあった。
『巴さん、
これ…見て下さい、玄武洞の
あの玄武岩の実物みたいですよ?』
玄武洞公園のからは玄武洞の姿は
少し離れた場所から見学するので
綺麗な模様を描いている
雄大な姿は見る事ができるが。
こんな風にその形を目の前で
見る事はできないので。
「凄いね…、本当に綺麗な…
六角形の形してるんだ…玄武岩って」
しばらく…その自然が作った
造形美を感心しながら眺めて。
その先に順路通り進むと、
高さのある大きな円形ステージの様に
吹き抜けになった空間に
巨大な象の骨格標本が鎮座している。
巴が下からその大きな象の
骨格標本を見上げていると
壁にあるパネルを彼が読んでいて。
『これは…山陰地方でも
多く足跡が発見されている
ステゴドンの骨格標本みたいですよ』
「ステゴドン??象じゃないの?」
ステゴドンって聞いたら
なんか恐竜の一種みたいな名前だし、
見た目はどう見ても大きな象だ。
ステゴドンと言うのは、
鮮新世 から 更新世 にかけて
アジアに広く生息していた、
ゾウ目 ステゴドン 科の属の事で。
宮城、山形、福島、冨山、石川、長野、
そして茨城の各県から骨格の一部が
発掘されているのだそうだ。
象の原種…の様な物と考えられていて。
元を遡って行けば…、
原始的なゾウの先祖から、
ゴンフォテリウムと言うのが分岐し
その後、ステゴロフォドン
その先にこの標本のステゴドンが出る。
さらに、アジアゾウ類が分岐して、
その先に原始時代の象と言えばの
マンモスの仲間が分岐し。
現生アジアゾウの仲間が分かれて行く。
現生アジアゾウとナウマンゾウは、
「きょうだい」のような近縁に当たるらしい。
ここの展示は…台座の上に
固定されているのではなくて、
ステゴドンの4本の足の下に台があるので。
身体の下からその大きな姿を
真下から見上げて見る事が出来る。