第14章 決戦は土曜日に…
『巴さん、
どうしたんですか?
電話、出ないんですか?
さっきからずっと…鳴ってますよ?』
「……いいの…港斗君、
この番号は……、
出なくていい…、の…」
もう…彼から…私の電話に
着信がある事なんて…
二度と無いと…思ってた。
『巴さん?大丈夫ですか?
顔色が…悪い…ですよ?
あの…、もしかして…、
この…着信の…主って…』
そう…名前の所が空白だけど
この番号には見覚えがある。
見間違えたりも…しない…。
「雄介さん…」
『雄介さん…って、
さっきの森園さんの…
旦那さん…ですよね?その…』
巴さんの…元カレ…で、
森園さんとの間に
子供が出来たと…巴さんと
別れて結婚した…男…。
自分の子供を妊娠したと思って、
森園美海と結婚したけど。
自分の留守の間に、
子供の父親である”まーくん”と
奥さんである森園は…
好き放題…しまくってた…らしいけど。
その事について…興信所?
じゃなくて元探偵…?の人に
森園美海の素行調査を…
森園美海の被害者の会で…
お金を出し合って…割と前から
コツコツと…前嶋さんと小林さん
その他の面々は…してたみたいで。
あっちの人が、用意してくれた
”まーくん”を含む、森園の
乱れに乱れた交友関係を…
纏めたムービーを、あっちが
今日の為に用意してくれたのだそうだ。
その…同期の…西崎真希が
僕に申し訳なさそうにしてたのは。
西崎は…森園とは仲が良かったと
相手に勝手に思われていて
あれこれと聞きたくない話を
色々と聞かされていたそうで。
西崎自身も…、我慢できずに
前嶋さんや小林さんに
森園の言っていた事を
打ち明けていたようで…。
婚約破棄された前嶋さんと、
結婚しようと森園に言われて
その気になって…森園に
今まで貯めていた貯金で
あれこれと貢いでいた小林は…。
自分達の人生を…、
めちゃくちゃにした。
森園美海への復讐の機会を…
伺って居た…状態だった訳で。
森園さんが…、まだ僕の事を
落とせなかったのを…
何度も悔しいと西崎に漏らして居て。
もしかしたら…と…、
今日の結婚式に僕が…
婚約者である巴さんと
一緒に参加すると…伝えたのだそうだ。