第14章 決戦は土曜日に…
森園…には…、
新郎の元田も…言い寄られて
迷惑してた感じだったし。
院長は院長で、自分の
大事な一人息子に
玉の輿目当てで近付いて来る
森園を良く思って居るはずもなく。
森園が…原因で
夫婦関係や恋人関係の
崩壊の危機になった…
看護師さん達も…居た訳で…。
この…結婚式は…
単なる…1.5次会ではなく。
病院をあげた、森園美海の
公開処刑会場…でも…あった訳だ。
と言うのを…
僕と、巴さんは
知らされてなかったので…、
最後に元田から
ネタバレされたんだけど。
要するに、僕を…森園を
この病院関係者しか居ない
結婚式に参加させる出汁と言うか
エサにされた……と…。
かなり長時間の間、
巴さんの電話の着信音が
止む事は無かったが…。
巴さんは青い顔をしながら
自分のスマートフォンを
見ているだけで。
『巴さん…、今は…僕が
隣についてますから…、
もし次に…雄介さんから
電話が掛かって来たら、出ませんか?
雄介さんが報告したいだけなら
そのまま話だけ聞いて、
切って貰ったら良いですし。
それで巴さんにあの人が
復縁でも迫るつもりなんだったら
僕から直接話をしますから…
巴さんは…
僕と付き合ってるんだって
雄介さんに説明しますんで』
「つぎに…電話が…掛かって来たら…」
ギュッと…隣にいる
巴の手を港斗が握った。
その…小さくて華奢な手が
震えてるのが…
自分の手に伝わって来る。
『巴さんと今、
付き合ってるのは、僕ですよ?
そもそも、巴さんには
何も悪い所なんて無いんですから、
堂々としてれば良いんですから。
大丈夫です、僕が付いてますよ』
もし…自分が話をしても
雄介さんがしつこかったり
ロミオ化するんだったら、
着信拒否するなり、
スマホのキャリアを変えて
番号も変えてしまえば良いと。
もう…あの実家には
私は住んでないし…
両親と妹にはここの事を
教えるなと頼んで置けば
ここの事がばれる事も無いし
会社まで凸するんなら
警察に通報すればいいと…。
どんな電話なのかも…
わからないのに…言われてしまって。
聞き慣れた着信メロディが流れて。
再び…雄介さんからの
着信が掛かって来た…。