第14章 決戦は土曜日に…
西崎のヘアセットとかメイクも、
その西坂のいとこさんと、
有志の看護師さんたちが…
してくれてるって聞いてる。
そう言えば…巴さんも、
妹さんにして貰うって言ってたな…。
そんな事を考えている間に、
受け付けが始まって
ゲストがぞろぞろと集まり始めて。
受付を済ませたゲストと言っても
同じ病院の看護師や事務所や
薬剤師や、理学療法士と言った
知ってる人ばかりなので。
いつも通りにやり取りをしながら、
チャペルの前に用意されている
テーブルの所で受け付けで
受け取ったある物に
メッセージや、サインをして。
それが済んだ人から…
お手洗いに行きたい方はお手洗いを
済ませて貰って。決められている席に
順番に案内をして行く。
受け付け開始前から
数人は集まり出していたので。
時刻は…10時半になって居たので、
これからが…本番になる感じだな…。
ある程度…捌いて…、
チャペルの埋まり具合から…見て。
全体の1/3ぐらいが揃った頃に…。
あの…例の…噂の…森園美海が…
コツコツとヒールの音を響かせながら。
こっちに…まっ直ぐ…、
向かって来るのが見えて。
森園さんの…接客は…しないと
他の案内担当と話してたのに。
こんな時に限って…近くに誰も居ないと
そんな風に港斗が思っていたら。
スッと僕の横を…前嶋さんと…、
男性の看護師である小林さんが
すり抜けて行って。森園さんの
両サイドに立つと、そのまま
森園さんを…自分達の間に挟む感じで
チャペルに移動して行ってしまった。
ーー
ーー
ーー
その頃…巴はと言うと。
妹である、千冬に…会場から
少し離れた場所にある専用の
駐車場まで送って貰ってたのは居たけど…。
うっかり曲がり損ねて…
一方通行とかもあって、
時間には余裕をもって来たんだけど…。
割とギリギリになってしまって居た。
妹は申し訳なさそうにしてたけど
この辺りは道の幅が狭いし、
入り組んだ地形をしてるから…、
ましてや初めて来る場所だし…
送って貰って置いて
…妹に文句は言えないので。
お礼を言って妹とは別れて。
スマホにスクショして置いた
地図を頼りに会場を目指して
異国情緒のある北野を
巴が歩いて居ると。