第12章 12月12日の火曜日
『巴姉、
そう言う事だったら
私に任せておいてよ。
千冬さんが、
巴姉を大変身させたげる』
頼もしい妹の言葉を聞いて、
気持ちが落ち着いたので…。
そのまま…車でアパートに帰って。
港斗君がプレゼントしてくれた、
クリスマスツリーをしばらく眺めていた。
今日は…火曜日だから…、
明日になれば…彼に会える日…なのに…。
どうにもソワソワとしてしまって…
巴は落ち着けなくていて。
明日まで我慢ってそう思っても…
じっとして居られない感じになった。
彼としてるLINEのやり取りを眺めれば
気持ちが落ち着くかもと思って。
彼といつも…愛し合って居る。
リビングの脚付きマットレスの上で。
頭から毛布を被って港斗との
LINEのトークルームを遡りながら、
彼とのやり取りを…思い返していた。
彼はまだ仕事をしてる時間だから、
今…電話をしても…通話には
応答する事が出来ないだろうけど。
トークルームにある生田港斗の
隣にある電話のマークをタップして。
音声通話とビデオ通話のアイコンを
眺めたままでしばらく…
何も出来なくなってしまって居て。
「今…電話しても…迷惑…だよね…」
と…開いていたトークルームから
出ようとして指が
音声通話につかえてしまって。
掛けるつもりの無かった電話を
彼に掛けてしまって居た。
慌てて、通話をキャンセルして。
そのままスマートフォンの
フォトを…開いて、この前…
彼と一緒に行った
神戸イルミナージュの画像を…
スライドさせながら表示させて行く。
その前には…3日の日に行った
神戸三田プレミアムアウトレットの
マリオのオブジェと一緒に撮った
画像が数枚出て来て。
更に画像を遡って行くと…
彼と一緒に行った、宮島旅行の画像や。
姫路の美術館に行った時に泊った
お洒落な感じのラブホテルの画像とか。
チームラボの展示会の時に撮った画像とか。
オレンジのコスモスの前で撮った、
彼の画像が…出て来て。
「月曜日も…会ったし…、
明日も…会えるのに……ダメだな。
私…、今日…。会いたいって…
今、会いたいって…思っちゃってる…」