第12章 12月12日の火曜日
彼と一緒にデートした時の
画像を巴が見返して居ると。
彼と付き合う事になった、
クルージング船の画像が出て来て。
「あの時の…船の画像……」
港に停泊してる、この船を
このカメラに収めた時は。
彼と…付き合う事になるとは…
全然全く…考えて無かったもんな…。
彼とは…お金で買った関係だって、
ママ活なんだって思ってたから。
まさか…4ヶ月後には…、
半同棲みたいな生活してるって。
この時の私も…考え付も…
しなかった…だろうなって…。
ブゥ―――ン ブゥ―――ンッ
マナーモードにしてたから。
自分の手の中のスマホが
突然振動し始めて驚いて
思わず落としてしまいそうになって。
慌てて落とさない様に持ち直す。
着信は…港斗君からで。
休憩中に私からの着信に気が付いて、
LINEを送ったが、既読にならないから。
どうだったんだろうって、
電話を掛けて来てくれたんだろうな…。
「あっ…もしもし?港斗君…
え、あ、違うの…、港斗君との
LINEを読み返してたら…間違えて
電話掛けちゃっててね、うん…」
LINEのトークルーム見てて、
間違えて電話しちゃうのは…。
前にも別の人にした事あるし。
逆にこっちもされた事あって
全然普段やり取りしない人で
何で?ってなった時もあったから。
別に珍しい話じゃないから…
実際に掛けようかって悩んでて
うっかりタップしちゃっただけで…。
間違いで電話を
掛けてしまった事に変わりなはい。
『間違いでも何でも良いですよ、
巴さんから掛けて来てくれたの
僕は、凄い嬉しかったですし。
仕事の残り時間…巴さんの
声…聞けたから…頑張れそうですよ…』
「……み…、港斗…君…」
『どうかしましたか?巴さん…』
「あの…ね…、こんな事…
突然…言っちゃったら…ね、
迷惑かなって…思うんだけどね…」
会いたいって…この先の言葉が、
言葉にするのに詰まらせてしまって…。
あのランジェリーショップで見かけた。
あの人の顔がチラチラとして来る。
『巴さん…?
迷惑って何がですか?
巴さんからの電話だったら、
迷惑な訳ないじゃないですか。
むしろ…、毎日でも良いですよ?
って…巴さん?
…どうかしましたか?』