第9章 やっぱり…いつも通りの土曜日
肌を整えてリビングに戻ると
ウォーターサーバーから
冷水のままだと冷たすぎるので
お湯と混ぜて温度を調整して。
巴がお水を飲んでいると。
彼がこっちに戻って来たので。
彼の分の水を汲んで差し出した。
コップを持って、リビングにある
2人の指定席でもある。
脚付きのマットレスに移動する。
『巴さん的には…、
…まだ…僕と同棲するのは、
…早いって思ってる感じですか?』
確かに…あの時は…、
付き合い始めたのが
8月の26日の話で、
一人暮らしを始めたのが…
9月の事だったから。
付き合ってから1ヶ月も…経ってなくて。
彼から…一緒に住もうと言われたのを、
お断りしたって経緯はあるんだけど…。
『年末年始は…
色々と…忙しいですし…。
その…来年の…春とか…からなら…、
一緒に…住み始めるのも……
いいのかなって
…僕は思ってるんですけど…』
港斗君の言う…春…と言うのは…
3月とか…4月とかって事だろうけど。
今月で…付き合い始めてから、
4ヶ月って…事になるけど…。
その頃には…
半年以上には…なるし…。
「うん…、そうだね…。
その頃からなら…、今のお互いの
アパートをこんな風に行き来する
生活じゃなくて、一緒に同棲しても…」
『本当ですか?やったぁ!
巴さん、後から、
同棲しないとかって
絶対言わないで下さいよ?僕
ちゃんと、聞きましたからね?
春から、僕と一緒に暮すって…』
同棲の話は…彼の口から
偶に話題としては出て来てたけど。
私が…その度に今一つ
煮え切らない返事を返してたから。
いや…、その…いつも、
明日からでも一緒に住もう的な
ニュアンスだったから…こっちも
濁しちゃってた…部分はあるんだけど…。
あんな風に…素直に喜ばれちゃうと…。
こっちも…キュンと…して来ちゃう…。
ギシッ…と…
脚付きのマットレスが軋んで。
彼に身体を…マットレスの上に
倒されてしまっていた。
上から…港斗が
巴を見つめて来て。
その視線に…
溶かされてしまいそう…だ…。
『巴さん…、忘れないで下さいよ?』
「うん、流石に、忘れたりしないよ…」
そのまま…指を
絡ませて手を繋いだままで。
キスを…何度も交わし合って居た。