第102章 ぷち新婚旅行 2日目 神戸ベイサイド
『じゃあ…えっと…
ロケーションフォトとアトアの
挙式代を…お世話になるとか…って』
多分彼のそれを聞いて
私が睨むみたいな顔をしてたんだろうけど。
多分両方足しても100万にならないし、
多分全体の費用を考えると
私は全体の3分の1も出してないのでは?
っと思ってしまうんだけども。
「で、勿論…だけど…この
新婚旅行の費用の半分も…
出させてくれるんだよねぇ??」
新婚旅行の費用の平均額は
実は地域によって差があって。
東京のご夫婦が53万円、
その次に関西のご夫婦が42万円、
そこから40万、39万と刻んで
九州のご夫婦が一番倹約志向で
30万5千円なのだそうだ。
150万越えのゴージャスな
ハネムーンに行く夫婦は
首都圏に集中していて、
首都圏の平均値を上げているのだそうだ。
彼は…かなり半分よりは
安い金額を提示して来たけど
そこは…引かずに…更に吊り上げて。
私は30万を渡す気でいたけど
彼に拒否されてしまって、
こんな事で良い争いたくないので
結局こっちが折れる感じで
府には落ちてないけど、
彼に20万円を渡す事で…
この件は……終止符が打たれたかの様に
この…時点では思えてたんだ…、そう、
思ってたんだよね…私は。
後ろからギュウウと彼が抱きついて来て
背中を向けている私に、
全力でスリスリをして来る。
『怒らないで下さいよぉ~、
巴さぁあ~~ん、あの…、
こっち向いて…欲しいんですけど?
僕は…巴さんに喜んで貰いたくて
みなと温泉行きたいって言ってたし
それで…ここにしただけなんですって』
「分かってるんだけどね…、
ブライダルフェアの事とかもだし、
フォトウエディングの事もだし、
その…この部屋もそうだし、
昨日のあのクルーザーとかね…
分かってるんだよ…、沖縄の時とか
淡路島に…クリスマスに行った時とか…」
ギュウウと…港斗が巴に
後ろから抱きつきながら
ちゅっ…ちゅっ…と首筋に
何度もキスをして来る。
『僕が…巴に…相談しないで
何でも決めて来ちゃうから
怒ってるんですよねぇ?』
「まぁ…その…お金の事とかね…、
私にも…負担をね…させて欲しいなって
だって、明日には夫婦になるんだよ?」