第5章 芸術の秋…とかしてみたり
彼のご機嫌が直ったのは…、
この所為??って思ってしまった。
でも…野性的かはさておいて、
港斗君のイメージには
オレンジが似合うと思うから。
私は花言葉を知って居て、
オレンジが良いって
言った訳じゃないし。
オレンジのコスモスをバックにして、
数枚自分のスマートフォンで
港斗の写真を撮って。
一緒に撮りましょうと声を掛けられて、
身体を寄せ合って港斗が
高い位置で構えてくれた
カメラを見上げて
一緒に記念撮影をした。
そう言えば、気になってしまった。
港斗君はすぐに花言葉調べてたけど。
もしかして…、
意味があって…白にしたのかな?
そう思ってしまうと、
気になってしまう。
白のコスモスにどんな
花言葉が、意味があるのかって。
『気になってませんか?巴さん
白のコスモスの花言葉……
知りたいですか?』
風が…吹いて、
ゆらゆらと…オレンジ色の
コスモスがその頭を揺らしていた。
こっちが考えて居る事なんて
彼には全部丸バレだったようで。
港斗がスマートフォンを
自分の口元に近づけると。
『白のコスモス・花言葉』
音声検索で、白いコスモスの
花言葉を検索して。
表示されている検索結果を。
何も言わずにこっちに見せて来る。
『別に…その…僕は、
花言葉を知ってて、
白いコスモスの前でって
言ったんじゃないですからね?
巴さんには、白が良いなって
思ったからそう言っただけで…』
偶々だからと…彼は言いたいようで。
白いコスモスの花言葉は…
『優美』・『美麗』・『純潔』らしく。
『やっぱり
…巴さんに…は
白のコスモスが…、
お似合いみたいですね』
パッと目を惹く様な、際立った
美しさがある訳じゃないけど。
優美の言葉が似合う様な…、
穏やかな美しさが彼女にはあって。
『それに…今日の巴さんは、
この美麗な景色に負けてない位に、
美麗…でもありますから…』
「みっ、港斗…君
…こ、これ以上は…
やめてっ…、恥ずかしくて…っ
死んじゃうかも…知れないから…ッ」
顔を真っ赤にしながら、
こっちの腕に自分の顔を押し付けて。
僕の視線から隠れている様だが。