第77章 梅雨は紫陽花
ロープウエイで10分程度で
山頂駅に到着する。
ライトアップされたヨーロッパ風の
レストハウスが出迎えてくれる。
ドイツの古城のヴァルトブルク城を
イメージして造られた物で、
この前は太陽公園で…
ノイシュヴァンシュタイン城風の
お城を見たばっかりだったけど…。
ヴァルトブルク城の画像を検索して
似てない??って思ったけど
城壁の内側の雰囲気が
ここのレストハウスに似ていて。
「あ、本当だ…似てる…」
『クリスマスのシーズンは…
ここでクリスマスマーケット
してるみたいですよ?』
「へぇ~そうなんだぁ…。
また…お昼間の時間も…
今のこの感じとは違うんだろうなぁ…」
『来たいですか?布引ハーブ園も
紫陽花が綺麗だって有名ですし。
昼間だったら、あそこの上で
ランチ食べられますし…、
ハーブ園の中にいい感じのカフェありますよ?』
そう言ってホラと、こことは
別の場所にあるカフェの
ザ・ヴェランダ神戸の画像を見せて来て。
「なっ…、え?
凄い…お洒落…なんだけど。
ハーブ園の中にこんな…
素敵な空間があるの?」
ハーブティーやケーキを
神戸の絶景を眺めながら
頂く事が出来るらしく。
『良い感じですよね?でもここは
来るんだったら、梅雨が明けてからの方が、
海がきっと綺麗に見えると思いますよ?』
今居る展望プラザのエリアも
綺麗に整えられた花壇があって。
海外旅行にでも来た気分になれる。
LINEで後は別行動でとだけ
小林に港斗が送信して。
ライトアップされたお城風の
レストハウスを見ながら散策する。
この海外旅行をしてるみたいな
雰囲気が素敵で…夜景見るの
すっかり忘れてたんだけど…。
神戸の夜景を一緒に見ている
2人の後姿だけ確認して、
私と彼は…お邪魔にならない様に
一足先に…布引ハーブ園から
ロープウエイに乗って、
元の山のふもとまで戻って来る。
『雰囲気はいい場所ですし……
後は…どっちからでも…良いから
くっついてくれたら…ってだけですよ』
そんな話をしながら車に戻って、
明石海峡大橋をふたりで見れる
穴場の明石舞子藩台場跡を目指した。
「ちゃんと…葵ちゃん、
小林君に告白したかなぁ?」