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12歳年下の彼に溺愛される話

第5章 芸術の秋…とかしてみたり



既にシャボン玉を
親に買って貰った子供が
その手に握りしめている。
シャボン玉の液とストローに
巴は見覚えがあって。

「とらやの…シャボン玉…。
昔…駄菓子屋さんで…良く買ってた」

自分が…子供の頃と…同じ
20年以上経ってるのに変わらない
あの…濃いピンクのボトルに
ブルーのキャップのシャボン玉液を
小さな子が吹いて遊んでいて。

『僕は…、あれが…羨ましかったなぁ』

一番お手軽価格で買える、
とらやのバラ売りの
シャボン玉だけじゃなくて
シャボン玉セットみたいなのもあって。

その中に置かれていた、
赤い帽子を被ったクマさんの
シャボン玉を港斗が指さして居た。

「あれっ…、
クマさんのシャボン玉。
お金持ちの家の子が持ってたやつ…」

赤い帽子を外して、
クマさんのお腹を押したら。
中からにゅっと…赤いバブルワンドが
出て来てそれを吹いて遊ぶやつだ。

『あれを…あのクマを
買いましょう…、巴さん』

「えっ、あれ…買うの?
絶対…多すぎて、使い切れないよ?
とらやの30円ので良くないかな?」

青いクマのシャボン玉と、
とらやのシャボン玉を
港斗君がレジに持って行ってしまって。

『さぁ、早速シャボン玉して
遊びましょうか?巴さん』

「シャボン玉…なんて
するの、…何年振りだろ…?」

『その中のシャボン液なくなたら、
こっちから入れれば良いですしね』

ヤクルト位のサイズの
とらやのシャボン玉液の
キャップを開けると。

シャボン玉液に、
ストローの先を入れて。

巴が口に咥えると
ふぅーーと長く息を吹いた。

キラキラと太陽の光を受けて
七色に光る
小さいサイズのシャボン玉が
沢山飛んで行くのが見えて。

子供の頃よりも沢山出来てるのは、
私が大人になって肺活量が
増えたから…なのかも知れない。

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