第74章 彼からの2つの提案
『え?
どうかしましたか?巴さん…
そう言えば…
話してません…でしたっけ…?
そうなんでうすよ…
僕、7月生まれでして。
7月10日生まれだから…神戸の
港と掛けてミナトらしいんですよ…。
こっちとしては、3はどこからって
昔小さい頃は思ってましたけどね…』
同棲している彼氏の…誕生日を
把握して無かったんだけども、
彼は…7月10日生まれなのだそうだ。
『それで…うちの両親から…
誕生日のお祝いに…2人で
来月旅行でも行って来たら?って
旅行のギフト券…貰ったんですよ…
ですから、来月有休貰って
沖縄旅行にでも行きましょうよ』
と嬉しそうに笑っているけど
多分この彼氏様なので、もう
旅行の手続きとか予約とかは
全部…住んでからの…有休だけ
お願いしますって言う奴…なんだろうなぁ…。
生憎私は…有休を…使わなさ過ぎて
総務から苦言を言われてしまう方なので。
休みが欲しいと言えば…いいよ~とは
お返事は貰えそうな感じだけど…。
「それで…何日から何日まで
お休みを貰えば…良いの?」
彼の誕生日が10日なのなら
その日は沖縄で過ごしたいだろうし。
その前の日の9日から11日の
3日間とか…かなと…そう尋ねると。
『4日間とか…取れそうですか?』
「3日でも4日でも…、
休む分には変わりはないだろうけど…」
『良かった~、ダメって言われたら
どうしようかって思ってましたよ。
じゃあ、7日から行きましょうね』
って…7日?は日曜日だから
7月8日9日10日11日??の
4日間を有休を取得して、
7日から行って…って4泊5日??
お休みお願いしますねぇ~と
彼はニコニコして笑って居て。
『プレハネムーンだと思って
沖縄旅行楽しみましょうよ~』
そうだ…沖縄…雄介さんが
連れて行ってくれたのも沖縄だった。
一瞬脳内にその時の思い出が
走馬灯のように駆け巡って行って。
『あの、巴さん?
どうかしましたか?
身体…洗えましたし…一緒に
あのお風呂…浸かりましょうよ』
そのバスルームのお風呂は…
インゴットみたいな形をしていて。
普通は壁際に片面が引っ付いているのに
そのインゴット型のお風呂は
間を開けて…何故か設置されている。