第72章 淡路島の夜
ちらっとローベッドの上に
巴が視線を移すと
そこには穏やかな寝息を立てて
眠っている大和の姿がある。
自分には…子供は居ないけど…、
子供がいる夫婦の夜の…
夫婦生活とかって…
こんな感じなのかな?…って。
『巴さん…』
後ろ髪を引かれる思いはありつつも
彼に急かす様に名前を呼ばれて、
そのまま大和をベッドの上に残して
港斗と一緒に巴は
隣のベッドルームに移動する。
カチャと…ドアを閉じてしまえば…、
ベッド以外の必要な物が何もない
小さめの…こっち側の部屋は…
私と彼だけの空間になる。
さっきまで…疑似家族みたいな
そんな…空気だったのに…。
今の…彼の空気は…、
お父さんぽい…感じ…じゃなくて
男性…いや、男らしいと言うか…。
ベッドの配置も…もし…ドアを開いて
子供がこっち側に来たとしても
両親が致してる場面が…
子供視界に丸見えにならないような
そんな感じのベッドの位置になって居て。
天蓋付のリゾート風のベッドの
天蓋を閉めると2人だけの
分断された…小さな世界が完成する。
薄い…透けたカーテンで…
区切られた小さな私と彼の世界には
あるのは…ベッドだけなので…。
身体を引き寄せられてキスをされて、
そのままベッドの上に身体を倒されて
下から…彼を見上げる様になるまで
そんなに…時間は掛からなくて。
キスをされながらパジャマの前を
彼の手で開かれて行くと、
グイグイと足の間に身体を割り込まされて。
ナイトブラの上からカリカリと
胸の先の突起のある辺りを
彼の指先が引っ掻いて来ると、
段々と先の突起が
刺激されて硬くなって来る。
「んぅ、はぁ……ぁ…、んっ…」
声が…自然と出てしまうのを…、
ダメだと思ってセーブして
小さな声で…私が喘いでいると…。
彼が笑っている声が聞こえて来て。
「やっ…、なんで…、笑う…のッ…」
『巴さん、やっぱり
隣で大和君寝てるの…気になりますか?』
こっちが喘ぐのを我慢していると、
気になるのかと彼が問いかけて来て
こっちは…声を抑えなくちゃって
そんな事ばっかり…考えてるのに…。
「そっ…それは…き、気になる…よっ…
あっ…んんっ…、やっ、声…出ちゃう…ッ」