第70章 2024年5月4日
スマスイの愛称で親しまれている
須磨海浜水族園は、来月に
リニューアルオープンするが、
小林君の話によると、スマスイで
飼育されていた生き物の殆どが
ニューオープンの新水族館で
そのまま展示される事になっていて。
ピラルクは無料で開放される
市民エリアに展示されるのだそうだ。
『また…須磨シーワールドにも
行きたいですよね?巴さん。
もちろん大和君も…連れてもですし
2人きりでデートもしたいですし…』
港斗君がその話をした時に
2人の様子がちょっとおかしくて。
私は内心…その2人を見て
ふたりはふたりだけで
須磨シーワールドにデートに行く
約束をしたんだろうなって…。
その先の南極のエリアには
ペンギンが展示されていて。
またペンギンでも…足を止める事になって。
その先のタスマン海でも
カマイルカで足を止められる。
その合間にスタンプラリーの
スタンプも…各エリアで押さないとなので
見る方もスタンプも忙しい感じだ。
その先のカラフルな熱帯魚が見られる
グレートバリアリーフのエリアは
現在は改装工事中らしくその先へと進む。
7階から6階へと降りると…
目の前には大きな太平洋の水槽。
つまりは海遊館のメインである
ジンベエザメの姿を見る事が出来る。
『ジンベエザメッしゃん』
そう言って大和も…大水槽に
吸い寄せられて行ってしまって。
この先はずっとこの大水槽を見ながら
周囲の水槽を見つつぐるぐる
大水槽の周りを回りながら
下の階層に降りて行く感じになって居る。
瀬戸内海の水槽は…色味は地味だが
食卓で馴染みのある
スズキや真鯛やチヌ、
カワハギや伊勢海老…
石鯛や真蛸…などなど…美味しい
お魚たちが沢山展示されていて。
ここに来てから巴さんが
一番真剣に眺めているのは…
僕の気のせいではないはずと
港斗は熱心に瀬戸内海の
水槽を眺めている
巴を見ながら思って居た。
『巴ねぇね、見てぇ
マンボ、マンボウが居るよぉ』
縦長の水槽にはネットが張ってあって
中にマンボウが泳いでいるのが見える。
「マンボウも…美味しいよ…」
『マンボウしゃん、食べちゃうの?』
マンボウの水槽の前で
大和が不安そうな顔をしていたのだが。