第14章 魔女おらふくんとラヴェジャー
そうしてお喋りをしている間にハナにもこちらの意思が読み取れたみたいで、僕も飼育カゴから出してもらえた。するとすぐにラヴェジャーおらふがやって来て、そういえばさと話し掛けてきたんよ。
「魔女ってことは、僕にも魔法を掛けれるん?」
「掛けれるよ!」
僕は頼りにされるのがとても嬉しかったから、いつも持ち歩いているガラス瓶をすぐに取り出した。このガラス瓶はいつも空っぽなんやけど、僕が魔法でちょっと力を使えば、不思議な色をした液体が現れるんや。
「すごいやん。どうやったん?」
「魔法よ魔法」
「へぇ、僕も使ってみたいなぁ」
「スプラッシュ化したら魔法の力がつくよ」
魔法の力つけて、とラヴェジャーおらふが言ったもんやから、僕はガラス瓶をスプラッシュ化してそこに不思議液体を入れる。それからぽんっとラヴェジャーおらふに投げ渡すとパリンと割れて、魔法の力を与えた。
「わ、なんやこれ、なんかフワフワしてるんやけど」
「それは火炎耐性の魔法なんよ。その魔法がついている時はマグマに入っても平気で……ってどこ行くん?」
「マグマに入ってくる!」
「え、今から?!」
駆け出したラヴェジャーおらふを追いかけて、僕とハナとアリスが慌てて捕まえに行って鬼ごっこになったんやけど、ちょっと楽しかったってことはここだけの秘密やで?