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こちら、MOB飼育係ver.ハロウィン[dzl]

第13章 フランケンおんりーとアイアンゴーレム


「ってことは、キミもたった一人のおんりーってことなんだ」
「どういうこと?」
「これを持ってるアイアンゴーレムを見たことがある?」
 と言ってアイアンゴーレムはどこからか丸い何かを取り出した。深緑色をした綺麗なパールのようなものだった。
「それは何?」
「エンダーパール」
 俺が聞くと、アイアンゴーレムは相変わらず淡々とした口調で答える。こうやってわざわざ俺の質問に一つ一つ答えてくれているところ、悪いMOBではなさそうなのだが、元より自分も喋るのが得意ではないので、少しコミュニケーションの取りづらさは感じていた。
「その子は、エンダーパールを持っているんですね」
 と話し出したのはハナだった。アリスは俺たちの会話が気にならないのか、構わずハナの言葉に受け答えをする。
「ええ、そうなの。私が六歳の頃に初めて彼と出会った時からすでに持っていたの」
 アリスが六歳の頃?
 よく見なくても、アリスはハナと同じ人間で言う成人くらいのような感じであった。そうなるとこのアイアンゴーレムは、アリスにだいぶ長く飼育されてきたのだろうと俺は考えた。
「人間に飼われてどれくらいなんだ?」
 と俺が訊ねるとアイアンゴーレムは、うーんと空を仰ぎながら十年以上はこの家に世話になってるかな、と答えた。それくらい俺たちが人間と暮らせば、ハナもいつかはこちらのMOB語が伝わったりするのだろうかと思案したのを知ってか知らずか、アイアンゴーレムが唐突にこんなことを提案してきた。
「エンダーパールは使ったことがある?」
「え、エンダーパールを?」
 エンダーパール自体分からなかったのだから、使ったことすらなかった。俺が首を振ると、アイアンゴーレムは得意そうにこちらを見た。
「じゃあ教えてあげるよ。結構役に立つと思うんだよね」
「何に役立つの?」
「飼い主を守るために」
「ああ……」
 そのことに俺も半分以上理解はしていなかったが、のちにアイアンゴーレムと一緒にエンダーパールの練習をすることになるまで仲良くなるということは、この時はまだ、知らない。
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