第7章 ライムを添えて ※
「何・・・これ・・・・・・」
いつの間に眠ってしまったのか・・・
目を覚ました時には降谷さんの姿はなく、ホッと安堵の溜め息を吐いた。
毛布・・・掛けてくれたんだ。
これは優しさか、罪滅ぼしか・・・。
それにしても、身体のあちこちが痛い。
下半身がズキズキして少し動くだけでも激痛が走る。
秘部とカーペットはベタベタに濡れていて、降谷さんに中出しされたことを思い出した。
手首のネクタイは外されていたが痣になっている。
ふと下を向くと胸やお腹に無数の紅い痕。
そういえば唇だけでなく、他の場所も噛まれた気がする。
それにしても・・・これは多すぎる。
重い腰を上げ、激痛に耐えながらゆっくり歩いて洗面所に行き鏡を見ると・・・・・・上半身は首からお腹まで、びっしりと紅い痕で埋め尽くされていて。
肩や腕、太腿・・・後ろを向くと背中やお尻までも。
こんな状態では、ジンに会えない。
あの人に見られたら・・・・・・って、私は何を考えてるんだ。
肌を見せる前提で会おうとしているのか・・・。
ジンの言う通り、嫌でも肌の見えない服を着なければならなくなった。
結局・・・降谷さんとの関係がどうなったのか、わからないまま。
別れないと言われたとしても、私の気持ちが戻ることはないのだが・・・。
リビングに戻り、ふとテーブルを見るとメモが置いてあった。
"NOCは継続で。報告は怠らずに。"
彼との恋人関係は終わったんだ。
これでもう、いつ来るかわからない彼を待たなくて良いのだと胸を撫で下ろした。
NOCだという証拠が残らないよう、メモをコンロの火で燃やす。
ぼーっと火を見ている時に改めて感じた。
自分が思っている以上に寂しくて、心はボロボロで・・・
でも彼の迷惑にならないように、嫌われないように、良い子を演じていたのだな・・・と。