第4章 コードネーム ※
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
「派手にイったな。おい、顔見せろ」
「ふ、あッ・・・」
自分でも派手に達してしまったと思う。
クリトリスを突つかれただけで、飛び跳ねるほどの衝撃を受けるなんて。
顔を見られるのが恥ずかしくて手の甲で隠していたが、ジンに遮られてしまった。
「・・・ハッ。間の抜けた顔してるな。
この顔は他の男に見せねぇ方が身の為だ」
「・・・どういう・・・ッんん!」
彼は人が話をしている時に口を塞ぐ性癖でもあるのだろうか。
無理矢理した割には、ゆっくりと唇を擦り合わせるような、触れるだけのキスを繰り返す。
時折、ちゅっ・・・と鳴る控えめな音にもどかしさを感じつつ、ジンの温もりに酔いしれていた。
このまま・・・ジンに抱かれたら、降谷さんに報告しなければならない。
以前のハニートラップのように自分から仕掛けて及んだわけではないので、少々気まずさがある。
私に任された"ジンの懐に入る"目的は、順調と言っても良いと思うのだが・・・
降谷さんの反応が怖い。
「んぅ・・・あ、ん・・・っ」
「・・・ミモザ、そろそろ行け。約束あんだろ」
「・・・え?」
まだ最後までしていないけど・・・これで終わり?
私が秘部を舐められて達しただけで、ジンに関しては服を脱いでもいなければ、どこにも触れていない。
彼の下半身は、一目でわかるほど大きく主張しているのに・・・。
「あ、の・・・・・・ジン、は?」
「あ?とりあえずさっさと着替えろよ」
ジンは途中で終わらせて辛くないのか、と聞いたつもりだったが・・・
結局、彼は他の女性を抱くのか・・・。
だったら何故、私に触れたのだろう。
あんなに優しく唇を合わせて・・・暖かい手で触れて・・・。
私にはジンを満足させられないということ?
他にお気に入りの女性がいるということ?
ジンは先程まで2人で寝ていたソファから離れ、窓の外に目を向け煙草を吸い始めた。
彼好みの身体ではなかったのかもしれない。
行為はもう終わってしまったのに・・・ナカはまだ期待して疼いている。
順調だと思っていたのは気のせいだったのか。
腑に落ちない気持ちを抱えながら落ちている服を身に付け、髪の毛を整えた。