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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第15章 外の世界へ








「早かったわね、ジン。話は付いたの?」

「・・・ベルモット、てめぇもパシフィック・ブイへ行け」

「あら。指示されたのはミモザだけなはずよ。新しい顔がいると注目されるから・・・私だと目立つんじゃないかしら?」



黙って言うことを聞けば良いものを、もベルモットも頑なに拒否をする。

変装でも何でもやり方はあるだろう。

俺がを何よりも大事にしていることを知っていて、引き離そうとしているサマに憤りを覚える。





ふわっと香る花のような甘い香り──

アイツが側にいなくても、俺自身に染み付いているように香りが残っていて。





抱きしめてやれば良かった。

口付けたかった。

「行くな」と引き止めれば良かった。



撤回するべきなのは俺の方だ。

「勝手にしろ」などと突き放すつもりは微塵もなかったのに。

醜いプライドが邪魔をした。




今なら、まだ・・・・・・



「今ならまだ、間に合うと思うけど?1人が心配ならバーボンに行かせ・・・

「殺されてぇのか」

「はあ・・・過保護すぎるわよ。可愛い子には旅をさせてみたらどう?」



突き付けられた拳銃にも動じず、溜息を吐きながら脚を組み直すベルモット。

可愛いから旅をさせたくないんだろうが。




可愛くて、俺に従順なに甘えてしまっていた。

アイツなら、俺の元に残る選択をすると自信があった。



記憶喪失の期間も含め、の心の変化に気付いてやれなかった結果なのか。







「ミモザに何を言ったのか知らないけど・・・、ジンの気持ちが変わらないならこっちで進めさせてもらうわよ」

「・・・・・・」

「口、出さないでちょうだいね」

「・・・・・・勝手にしろ」

「あ、兄貴!」



先程と同じ言葉を吐き、アジトを後にした。



クソ・・・。ガキくさくて面倒で、自分で自分が嫌になる。



しかし、今更戻るなど格好悪いことは今の俺にはできなかった。






1人で行きたいなら行けば良い。

どうせ、すぐに根を上げて助けを求めてくるのだろう。




自分を納得させるには、そう思うしかなかった。

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