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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第13章 キスで目覚めて ※




降谷さんの車からジンの愛車へ移動する。

ウォッカはその場に残ったためジンと2人きりで。

彼は煙草を片手にハンドルを握り、無言で車を走らせた。


横目でチラッと見ることしかできないが、この姿がかっこよすぎて・・・つい好きだと言ってしまいそうになる。

私を追いかけてくれたこと。

助けてくれたこと。

そして・・・キスをしたこと。


その理由を聞いたら、ジンは教えてくれるだろうか。




「ミモザ・・・・・・お前に聞きたいことがある」

「・・・聞きたい、こと・・・・・・」


先に言葉を発したのはジンだった。

バーボンと共に逃げていたのだから尋問されてもおかしくはない。

私もバーボンと同様に疑われている。


しかし、今のジンの雰囲気には柔らかさがあった。





────「ミモザ、目的地に着いたら聞きたいことがある」


あの時、ジンは私に何を聞きたかったの?

何を知りたかったの?

今から聞かれることは、あの時と同じもの?




海岸沿いに停車すると彼はこちらに顔を向けた。

じっと見つめてくる深緑の瞳に吸い込まれそうだ。


昨夜も2人きりになったが今は密室で。

シートベルトを外そうにもジンに掴まれ阻止されているため、逃げ場がない。


手に汗がジワリと滲む。




「ミモザ・・・お前の名前は何ていうんだ?」

「・・・・・・名前、ですか?えっ・・・と、瑠愛・・・」

「違う。本名だ」



全身の血の気が引いた。


聞きたいことって、私の本名・・・?

丸音瑠愛という名前が偽名だということは、すぐにバレるとわかっていた。

だからといって、わざわざ本名を聞いてくる人はいない。

未だに私から視線を外さないジンにゴクリと息を呑んだ。


本名を知ってどうするの?

NOCだと事実を暴いて殺す?


その為に追いかけてキスして・・・・・・なんて思いたくない。


カチャッとシートベルトが外され黒い壁に視界を奪われて。




煙草の匂いにクラクラして自分の感情が行方不明になった。


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