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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第11章 私の居場所




あれから1年が経ち、ジンの怪我は完治した。



・・・・・・記憶以外は。



身体の回復は誰もが驚く早さだったのに、戻らない空白の1年間。




 
「ミモザ、次の任務場所の確認をしたいので一緒に来てもらえますか?」

「・・・・・・・・・はい」




バーボンと顔を合わせることが少なかったのは、ジンが側にいて避けてくれていたから。


その彼が私から離れてしまったため、私とバーボンが組む任務が増えた。




「ミモザさんとバーボンさんって美男美女でとってもお似合いですよね〜!本当にお付き合いされてないんですか!?」


「ギムレット・・・それは何度も言ってるでしょ・・・」


「僕の片想いですよ。恋人になってもらえると嬉しいんですけどね?」


「・・・・・・」




本当に・・・

何度目だろうか、このやりとり。



ジンの記憶がないのを良いことに私とバーボンをくっつけようとするギムレット。


そんな彼女に笑顔で便乗するバーボン。



このやりとりは決まってジンがいる所で。



それなのに1つも興味を示さないジンに、消えたくなるほど惨めでお手上げ状態だった。






私がここにいる意味は・・・あるのだろうか・・・。






「そろそろ行きましょうか。では、僕たちはこれで失礼します」

「お気を付けて〜」

「・・・・・・」




ジンは私に何も言わなくなった。


今も煙草を片手に無言で座っているだけ。




「邪魔だ」


「必要ない」





言われ過ぎて傷付いていたけど、言われなくなるとそれはそれで寂しい。


ジンの目に私が映らなくなってしまったようで。






でも、1年前から変わらないことがある。


痛いほど感じるんだ・・・・・・


背中に・・・・・・彼からの視線を。








自惚れではないことをどうしても確かめたくて、扉が閉まるほんの一瞬だけ振り返った。






まさか振り返るとは思わなかったのだろう。






長い前髪から覗く深緑の瞳が大きく開き、持っていた煙草が彼の指からすり抜けていくのが見えた。






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