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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第10章 あなたは誰?




────どうしても思い出せない。消えた1年間の記憶・・・・・・






深い深い闇の中で眠っている時に夢を見た。


誰かが俺に笑顔を見せたり・・・


怒ったり・・・泣いたり・・・


愛おしい温もりに包まれているような感覚がした。



それは・・・・・・どんなものだっただろうか。





目を開いた瞬間、視界に入った女に心臓が跳ね上がる。



こいつは・・・・・・誰だ?



一目見て、関わってはいけないような気がした。



湧き上がるこの感情・・・・・・



触れられている手が熱くて・・・



組織の中では不必要な感情だと判断した。




「触るな」


「・・・・・・・・・え?」



ウォッカと一緒にいるということは、コイツの女か?

こんなこと一度もなかったが・・・・・・珍しいこともあるもんだ。




ソイツを睨むと酷く傷付いた表情に変わる。



「ジン・・・あの・・・っ」

「チッ・・・ウォッカ、てめぇの女を連れてくるな」



・・・何だ?

前にも言ったことがあるような・・・。


いつ、どこで・・・誰に言ったのか・・・。


思い出そうとすると頭が痛くなる。




「あ、兄貴・・・?ミモザですぜ・・・?兄貴の・・・」

「は?ミモザ?誰だよ・・・新入りか?」





ミモザ?俺の・・・・・・何だ?










思い出せない。






ということは、俺には必要ない記憶・・・



考えるだけ無駄だ。






ミモザという女をできるだけ遠ざける為、俺の前に現れる度に突き放す言葉を浴びせた。



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