第9章 渡さない ※
「ミモザ・・・・・・ッ!!」
私の名前を何度も呼んでくれるジン。
余所見しないよ。
嫉妬なんて必要ない。
離さないで。
壊れるほど抱いてほしい。
ジンの欲望が放出され一滴も溢したくない私は、ぎゅうっと彼の身体にしがみ付いた。
「ミモザ・・・・・・愛してる・・・」
「ジン・・・私も・・・・・・愛してます」
ジンがこんなにも1人の女に堕ちるなど誰が想像できただろうか。
しかもその堕ちた相手が自分だなんて。
このままではジンも私も駄目になってしまう。
この精神状態で組織に居続けることは、不可能と断言してもおかしくない。
そして私も・・・ギムレットのいる組織に戻るのは危険だと感じた。
♦︎♥︎♦︎
「居住地を変える?」
「はい・・・・・・住む場所を変えたくて。正直、今はギムレットと離れたいんです・・・。一緒にアジトを出ませんか?」
どうしてもジンとギムレットが接触しているのを見たくなくて、アジトを出たいと相談した。
バーボンと鉢合わせる機会も減るだろうし。
前に住んでいた家は降谷さんとの思い出があって帰りたくないから、他を探さなければならないが。
・・・何も言わなくなってしまったジン。
いくら私と一緒だからと言っても反対されるだろうか。
ジンにとっても良い話だと思ったのだが・・・。
「・・・あの・・・・・・どうです・・・んっ!!」
「今すぐ手配をする。2人だけの・・・俺たちだけのアジトを・・・」
「!!・・・はい・・・ありがとうございます・・・!」
ジンはその後すぐにウォッカへ連絡をしてくれて。
明日の早朝にホテルを発つことにことになった──