第2章 潜入
降谷さんから潜入前に幹部のコードネーム、特徴、特技を教えてもらい頭に入れた。
ジン、ベルモット、ウォッカ、キャンティ、コルン・・・No.2のラムに、「あの方」と呼ばれている・・・ボス。
他にも30人ほど。
末端の構成員を含めるとかなりの数で、私たちのようなNOCも数名いるらしい。
そして・・・──
「バーボン。これが僕のコードネームです」
・・・・・・バーボン。
降谷零でも安室透でもない。
昨日感じた"遠い存在"はこの人だったんだ。
笑っているのに私の大好きな笑顔ではなくて。
「できます」と威勢を張ったのに、既に怖くなってしまった。
「・・・。スコッチだ、よろしくな」
「・・・・・・よろしく、お願いします・・・」
諸伏さん・・・顔を合わせるのは何週間ぶりだろうか。
久々の再会が諸伏さんではなく"スコッチ"・・・。
この人もまた、普段とは違う顔付きをしている。
潜入自体が初めてな私は、公安に所属していながら平和な環境にいたのだと痛感した。
「、行くぞ」
「・・・はい」
降谷さんの声掛けに短い返事をする。
やると決めたからには最後までやり切ろう。
私が必要だと降谷さんが言ってくれたんだ。
絶対に成功させてみせる。