第1章 新型立体機動装置【ハンジ】*
ハンジさんに体重を預け、二人で息を上がらせながら抱きしめ合う。
目が合うと離れるのを拒むかのように唇を重ねて、抱きしめる力を強める。その繰り返しを何度かしていた。
「幸せです、ハンジさん。」
「私もだよ。」
いつか、幸せが一日中続く世の中にしたい。
それは何をすれば叶うんだろうか。
みんなに誇れる未来にするにはどうしたらいい。
いつか、いつか、みんなが望んだ世界にするには ──
「ねぇ、今までにないくらい積極的だったね。久しぶりだから?嫉妬してたからかな?あんな顔見られるのって私だけだよね?これは自慢できそうだよ…!」
「え?じ、自慢?」
「見てるかーい、エルヴィン!君の狙ってたは、私だけにすっごくエロい顔してくれたよー!」
「ちょ、ちょっ!何言ってるんですかっ…!」
ははっ、と無邪気に微笑んだかと思えば穏やかな表情に戻り、私の手をとり胸の前で指をからめながら握る。
「生きて、必ず未来を創ろう。仲間たちに誇れるように。」
「はい。一緒に創りましょう。」
おやすみ、とキスをして瞼を閉じる。
いつかきっと、美しい世界をみんなに見せてあげよう。
繋がった命を持った兵士の使命だ。
そして貴方には笑ってて欲しい。
私の望む美しい世界には貴方さえいればそれでいいから ──
fin