第12章 2回目のvsイレイザーヘッド※微
『ハァ...前言...撤回ッッ...してもらえますか...?』
「フッ...なかなか...やるじゃねぇの......」
口元を緩ませ私を見上げながら言うイレイザーヘッド。
追い詰めたのは私の方なのに、イレイザーヘッドに跨っている私の方が息が上がっていた。
『手......抜きましたっ......?』
「さあな.........だが強くやりすぎた......」
悪かったな、と言うとイレイザーヘッドは上半身を半分だけ起こして手を伸ばし親指で私の唇をなぞる。ぬるりした感覚があった。
『んっ............』
予想もしてなかったイレイザーヘッドの行動に鼓動がどんどん早くなるのが分かる。
『あっ.........相澤先生、親指に血が......ごめんなさい...』
「いや.........大丈夫だ...」
イレイザーヘッドの手を見て、先ほどのぬるりとした感覚が自分に着いた血だと気付かされた。
『ところで先生、合格点は何点なの?採点基準は?誰が決めるの?』
「あぁ......それな...」
私から気まずそうに目を逸らすイレイザーヘッド。
「...............嘘だ...」
『へ?......嘘?なにが?』
「除籍処分は嘘だ.........合理的虚偽ってやつだ」
『なっ......!!』
白い歯を見せニヤリと笑うイレイザーヘッド。
この男......騙したな......本気でやったのに...!