第12章 2回目のvsイレイザーヘッド※微
イレイザーヘッドの後ろを歩き、階段を降りていく。
テスト......何するんだろ。
コスチュームに着替えたって事は戦闘?
さっきイレイザーヘッドは、さっさと終わらせるって言ってたのはどういう意味?
そして前に歩くイレイザーヘッドの、先程までなかった両手両足についた黒いリングのような物に目がいく。
あれはなに?
疑問がどんどん湧いてくる中あっという間に広場に着いてしまった。
「個性把握テストとは言ったが簡単に言うと、俺と勝負だ。」
ニヤリと笑いこちらを見るイレイザーヘッド。
今日会ってからほとんど無表情のイレイザーヘッドがたまに見せるこの悪い笑みが本当に心臓に悪い。
『私がプロとやり合って勝てるわけないじゃないですか...』
実際、初めて戦った時負けたし......
なんて事は言えないけど。
「そのためのこれだ。」
『それは?』
イレイザーヘッドは自分の両手両足に着けられた黒いリングを指す。徐々に私と距離をあけていくイレイザーヘッド。
「自分の体重の半分の重量の錘だ。俺はそれを装着して戦う、ハンデってやつだ。」
『私、舐められてますね』
「俺を行動不能にするか、お前が音を上げるのが先か......勝負だ。」
人差し指をくいくいっと曲げ、挑発してくる目の前の男。
別にヒーローになりたい訳じゃないけど、ここでこの男に負けたくないと私の中の闘争心に火がついた。