第12章 2回目のvsイレイザーヘッド※微
駅までは学校のバスで移動した。
駅に着くまでの間、私は生徒たちからの絶え間ない質問攻めに合っていた。
「なぁ、!彼氏とかいるのー?連絡先交換しようぜ!オレ上鳴!よろしくなぁ!」
「早速アホを晒すな。うちは耳郎、よろしく。」
私と肩が触れるほどくっついてきた上鳴くんを、耳のプラグで引き離していく耳郎さん。
『よろしく。彼氏はいないよ。ケータイも持ってない。』
彼氏?彼氏って具体的になんだろう。そう思ったところで一瞬弔くんの顔が浮かんだが、恥ずかしくなりすぐに頭の中から弔くんを追い出した。
「えー!携帯持っとらんのかぁ。珍しいね?お家の人と連絡はどうしてるん?」
『んー、今まで不便と感じた事ないからよく分かんないや。』
弔くんと黒霧とはいつも一緒にいるし、連絡という連絡もなかったので本当によく分からなかった。家族のことは言う必要もないと思ったので言わなかった。
「さんは好きなヒーローとかいるの!?あ、僕は緑谷!緑谷出久です。よろしくね!」
『デク君、よろしくね。好きなヒーローか.........。たくさんいすぎて選べないなぁ...』
このての質問は苦手だった。なんて答えればいいのか分からないし、実際のところ私は平和の象徴以外に興味はなく、他のプロヒーローもUSJ襲撃の時に初めて戦った、イレイザーヘッドしか知らない。
口をぱくぱくさせて驚くデク君。
「さんっ......ななななんでその名前をっ......」
あぁ。そう言うことか。
『私小さい頃、公園でデク君とかっちゃん、見たことあるよ。デクって珍しい名前だなって思ってたからすごく覚えてるの。』
「爆豪!おめー、こんな美人に覚えてもらってるなんて最高じゃねえか!」
かっちゃんの肩を組み揶揄うように言う切島くん
「うっせ...」
「へ、へぇ。そうなんだ...なんだか恥ずかしいな...」
「緑谷ちゃん、良かったわね。私は蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで。それよりちゃん、あなたの個性、どんなものか知りたいわ。」
そういえばまだ言ってなかったっけ。弔くんに何度も何度も言われた。セーブじゃない方の個性......