第11章 自己紹介
いよいよ雄英高校に行く日がやってきた。
テレビや街中では、雄英体育祭の結果で盛り上がっていたが正直私にはそんなのどうでもよかった。先生の......オールマイトを倒すための第一歩。
『弔くん、黒霧、行ってくるね』
まだ慣れない雄英の制服を着て、弔くんと黒霧に声をかける。
「、ハンカチは持ちましたか?場所、大丈夫ですか?あ、ネクタイ少し曲がってます......」
『もー黒霧ったら心配しすぎー!大丈夫だって!』
過保護過ぎる黒霧が可笑しくてついつい笑みが溢れる。
「おい」
黒霧となんやかんやしてるところへ、黒霧の後ろにいた弔くんがこちらへ来る。
『弔くん?』
「制服...似合ってる」
『んっ...』
頭に片手をポンっと置き、耳元で囁く弔くん。
予想外の言葉と行動に肩がビクンと揺れた。
前は言ってくれなかったのに...
あれ?弔くんも少し顔赤い?
『ありがとう、弔くん。』
「行ってこい。」
「、お気をつけて。」
『行ってきます。』
───今日から私は雄英のスパイだ。