第1章 初めまして先生
「さぁ、この話はおしまいだ。今日はもう疲れただろう。弔、に家の中を案内してやっておくれ。ぼくはやる事があるんでね。少し家を空けるよ。」
''近々大きな戦いがある''以前先生とドクターがそう話しているのを聞いたことがある。
何となくその事だろうと察し、
「...わかったよ」
なんで俺が...と思いながらも適当に返事をしといた。
『せんせーはどこにいくの?』
「仕事だよ。なーに、弔がいるから寂しくないさ。僕はいつも君たち2人を見てるからね。君たちは強い。」
そう言いながら、の頭を撫でる先生。曇るの表情。
...あぁ。ほんとむかつく。ほんとにこいつは勘がいいんだか、察しがいいんだか...。
恐らく先生はここにはもう帰ってこない、彼女の直感が働いたのか沈痛な表情を見せた。
『せんせー...もっと撫でて...せんせーの手...あったかくてすき...』
再び先生に撫でられる。
俺は今日初めて、が笑う顔を見た。
それはここに来てからずっと澄まし顔だったの初めてみせた年相応な顔だった。