第1章 初めまして先生
死柄木side
ある日、先生が妙な女の子を連れてきた。
『......っっ、8歳ですっ......。よ、よろしくお願い......します。』
8歳...俺より4つ年下か...
小豆色の肩まである糸の様な綺麗な髪の毛、パッチリとした二重に薄茶色の瞳、本当に8歳なのかと疑うくらいとにかく目鼻立ちのキリッとした美しい顔をしていた。
「死柄木弔...12歳...よろしく」
無愛想に答える俺に怯えることなくは目をまんまるにして何か言いたそうな顔で俺を見てくる。
『あの...ほ...ほうかいってなあに?』
...は?なんで、こいつ俺の個性知ってんだよ...。あぁ...先生が教えたのか。
けど、先生の顔をチラッと見ると先生も俺と同じ反応をしていた。
聞けばコイツはドクターから受けた肉体改造実験とかいう実験で個性を与えられた個性複数持ちらしい。
チッ...個性複数持ちなんてとんでもねぇチートじゃねぇーか。
「先生、俺も個性2つ欲しい」
気づけばそんな事を口にしていた。
「弔、羨んではいけないよ。たしかにの個性複数持ちは凄いことだ。でもねこの実験は生身の人間には耐えられるものじゃないんだ。彼女はイレギュラー。僕からしたら弔もも特別さ」
このガキに出来て俺に出来ないなんて事あんのかよ...。
口には出さなかったが、苛立ちを感じ、痒みに襲われる。
『せんせー、何をおしえてくれるの?どうしたらつよくなれる?』
そんな俺を無視しては先生に質問をぶつけていた。
あぁ。そうか。こいつも俺と同じだ。強さが足りないんだ。
「そうだね...はどうして強くなりたいんだい?」
『どうして...?うーん...』
うーんと黙り込む。
『まだちゃんとは分からないけど...でも私悔しいの...』
やっぱり俺と同じだ。
「そうさ、。その気持ちが大事なんだ。悔しい、憎い、辛い、その感情が必ずを強くしてくれるさ、その気持ちを忘れないでいるんだよ」
何度も何度も先生から聞かされてきた言葉。悔しい、憎い、辛い
その感情を忘れない為にも俺はこうして家族の手を身につけている。この手をつけている時は何故だか安心するんだ。