第7章 初めまして雄英のみなさん
「くっ......!」
『弔くん!!!!!』
手の甲を撃たれた弔くんの元へ駆け寄り、着ていたトップスを引き裂いて止血する。
『応急処置程度にしかならないけど......』
「1年A組!!クラス委員長!!飯田天哉!!ただいま戻りましたぁぁっっ!!!!」
『あの子が...逃げ出した子か...』
入口を見れば、委員長を名乗る男の子と雄英の校長、教師が大勢いた。動ける手下たちが立ち向かおうとするが、一瞬でプロヒーローたちに一掃されていく。
「あーあ。来ちゃったな...ゲームオーバーだ...帰って出直すぞ、2人とっっ.........!?」
『危ないっ!!!!』
撤収しようとしたさなか再び背後から浴びせられる弾雨。
無意識で個性を使い銃弾を全て私の身体に受けた。
「なんだ?あの仮面ヴィラン...弾が消えた......?」
顔を顰める銃使いのプロヒーロー
「うっ......」
『弔くんっ...!!大丈夫?』
13号のブラックホールに吸い込まれそうになりながらも、黒霧がワープゲートで私と弔くんを覆い隠すようにして、私たちは雄英を後にした。
ワープが、消えそうになった瞬間オールマイトの隣に倒れていた緑色の髪の毛の男の子が見えて思い出した。
そうだ。いつの日だったか、黒霧の事をブランコで待っていたあの日。デク。珍しい名前だなって思ってた。
思い出した...
あの時、無個性のキミを見て
羨ましいと思ったんだ。デクくん。
ねえ、無個性だったキミがオールマイトみたいなスピードを持っているのはどうしてなの?