第7章 初めまして雄英のみなさん
寒い冬も終わり春になり桜も少しずつ散り始めていき、徐々に緑が増えていて春はあっという間なんだなとひしひしと感じていた。
弔くんの言った通りNo.1ヒーローが雄英の教師に就任したニュースは全国に知れ渡り連日、マスコミが押し寄せる大騒ぎになっていた。
「雄英に入れ」弔くんからそう言われた日から弔くんはアジトを空ける事が多くなった。
後から聞いてみれば雄英を襲撃できるチャンスが来た、と弔くんは張り切っていた。
どうやら、なにか算段があるらしい
私の知らないところでその計画は着々と進んでいたようだ
そしてその計画は早くも明日実行するようだが。
『ねー!弔くん、私もそのゆーじぇーえす?ってところに行きたい!なんで私になにも教えてくれなかったの!そこに平和の象徴もくるんでしょ?行きたーい!遊びたーい!』
「ゆーえすじぇーです。。」
私はハイチェアに座っていた弔くんの肩を左右に揺さぶりながら耳を劈くような声をあげていた。
「あぁ...うるさい。黒霧。こいつ脳無と一緒に山奥にでも飛ばせ。今すぐ。」
こんなこと言うけど、冗談だって分かる。だって弔くんは優しいから。
『そんな事しないくせに。だって明日脳無ちゃんも連れていくんでしょ?』
「ハッ...なんで明日って知ってるんだよ」
『黒霧から聞いたよ』
「黒霧」
黒霧に咎めるような視線を送る弔くん。
「申し訳ありません死柄木弔...つい...」
「、お前は明日連れて行かねぇ。待機だ。」
『え...なんでよ弔くん。』
「よく考えろ。じきにお前は雄英に潜入するんだ。相手に顔晒してどーする」
『んんっ...』
弔くんの言う通り、たしかにそうだ。
でも...弔くんと黒霧にもしもの事あったら...私...
『や....だよ』
震える声をどうにか抑えて弔くんの袖をギュッと掴んだ。
「あ?」
『1人に...しないで...やだよ。もう...1人になりたくないっ...』
「っ!」
「死柄木弔、いいのでは?は強い、戦力は多い方がいいかと。」
「...わーったよ。ただし、絶対危ない真似はするな」
『やったぁ!ありがとう!弔くん!黒霧!』
2人を守る、そしてNo.1ヒーローも倒す、私はそう思いながら弔くんに抱きついた。