第22章 林間合宿 3日目※
『そういえば私まだ現地集合するっていう3人見てないんだけど』
「あぁ。ガス使いのマスタード、歯刀の男ムーンフィッシュ、筋肉増強のマスキュラー」
『じゃあ、その地響きはマスキュラーとデクくんの仕業かも』
コイツなりに何か推測したのかもしれねェが、
正直俺にはもう地響きの原因だとか、血狂いマスキュラーが倒されたとかどうでも良くなった。
俺の腕の中のコイツが、小さく震えてるのに気づいたからだ。
『マスキュラーの回収に行く?』
「いや放っておけ。」
『あ、そうだ。私イレイザーヘッドの足止めできなかったの...』
「お前が?珍しいなァ」
ポツリと呟いたのその口調には任務を遂行できなかった悔しさじゃない、もっと別の...他の感情が含まれている事を俺は察知した。
イヤな予感がする。
『イレイザーヘッドに正体バレそうになった。私に変身したトガちゃんが助けに来てくれたけど。』
「へェ......。んで怖くなっちゃって俺のところに逃げてきたってワケか。」
そういう事かよ。
なぜ正体がバレる事を躊躇う?
お前ならいつも身体にしまいこんでる小刀で
男1人くらい簡単に殺せるだろうに。
イレイザーに情でも湧いちまったか?
「トゥワイス、もう1回俺を増やせ。プロの足止めは必要だ。」
とりあえず、イレイザーの足止めは必要だと思いトゥワイスに声をかけた。
「雑魚が何度やっても同じだっての!まかせろ!」
「んで、トゥワイス。お前は一旦この炎とガスの壁の外に出てくれ。」
『え...』
「はぁ...!?なんで!!」
もトゥワイスも意味がわからないという表情を見せた。
「いいから出ろ」
「もう、やだぁ」
『荼毘......?なんでトゥワイス......んっ...ッ!!』
トゥワイスが炎の壁の外に出て、が質問をしてきたところで強引に口を塞いだ。
「こうされたかったんだろ?」
何があったかは知らねェが、おおかたイレイザー絡みで乱された感情を落ち着かせるためにここに来たんだと俺はみた。
少なからず俺の予想も当たっているのか控えめに首を縦に振った。それを合図にどちらからともなく唇を重ね、囲まれた蒼炎の中でお互いを求め合った。
お前はヴィランだ。そうだろ?。