第22章 林間合宿 3日目※
『じゃあ、その地響きはマスキュラーとデクくんの仕業かも』
連合でパワー型は、脳無ちゃんしかいない。けれど、ここに来てる脳無ちゃんは荼毘の命令でしか動かない。筋肉増強、どれほどのパワーかは知らないけどおそらく彼だと推測した。
「おいおい!あの血狂いマスキュラーがやられたのかよ!弱ぇな!最強だろ!」
「デク...?あぁ、死柄木の殺せリストにあった奴か」
荼毘が私の耳たぶを弄りながら興味なさげに言った。
「おいおい!お前ら任務中だイチャイチャするな!俺も混ぜろって!やなこった!」
『マスキュラーの回収に行く?』
「いや放っておけ。」
『あ、そうだ。私イレイザーヘッドの足止めできなかったの...』
「お前が?珍しいなァ」
荼毘の胸に埋めていた顔を上げて、足止めできなかった事を伝えると口元に笑みを浮かべた荼毘の青い瞳と視線が絡み合った。
『イレイザーヘッドに正体バレそうになった。私に変身したトガちゃんが助けに来てくれたけど。』
「へェ......。んで怖くなっちゃって俺のところに逃げてきたってワケか。」
たしかに私はあの時バレたら、って恐怖を感じたんだ。
「トゥワイス、もう1回俺を増やせ。プロの足止めは必要だ。」
私が黙りこみ俯いてると荼毘がトゥワイスにそう言った。
「雑魚が何度やっても同じだっての!まかせろ!」
「んで、トゥワイス。お前は一旦この炎とガスの壁の外に出てくれ。」
『え...』
突然の荼毘の発言に小さく声を漏らした。
なんで?
「はぁ...!?なんで!!」
「いいから出ろ」
「もう、やだぁ」
トボトボと歩いて行き炎とガスの壁を飛び越えていったトゥワイス。
『荼毘......?なんでトゥワイス......んっ...ッ!!』
荼毘に質問しようとしたところで突然口を塞ぐようにして唇を重ねられた。荼毘の舌が割り込んできて私の舌を甘噛みされ吸い上げられた。
「こうされたかったんだろ?」
図星だった。1人になると色々と考えてしまうから。連合のみんなに会いたくてだからここにきた。今だけは任務の事もかっちゃんの勧誘も忘れて荼毘だけを感じたいって思った。
私が首を縦に振るとそれが合図かのように、荼毘の青い炎に囲まれてどちらからともなく、お互いの唇を激しく求め合った。