第19章 カアイイお友達
翌日、私とトガちゃんは2人で木椰区の一番大きなショッピングモールに来ていた。
昨日言った通り、弔くんもここに来るみたいで私たちとは別行動を取ることになっている。
トガちゃんと2人でショッピングする事に私は昨日の夜から、とてもワクワクしていた。
一応変装していけ、と弔くんから言われていたのでトガちゃんはいつも高い位置でお団子にしている髪型を今日は結ばずに下ろしている。洋服は私の私服を貸してあげた。
髪を下ろしていても可愛いトガちゃん。
私は念のためクラスの人にバレないように、キャップを深く被りマスクをした。
そんな私とトガちゃんを見てアジトで荼毘は、全然変装じゃねェじゃん、と小言を漏らしていたが。
「大きいねぇ!ちゃん!」
高い天井を見上げ、両手を大きく広げキャッキャ喜ぶトガちゃん。そんなトガちゃんを見て私もつい嬉しくなって、マスクの下で笑みが溢れる。
『あ、トガちゃん、昨日ここ限定で欲しいものあるって言ってたよね?なにが欲しいの?』
「ふふッ...それはですねぇ!ちゃん、リューキュウって知ってますか?」
『りゅーきゅー?』
聞き慣れない単語を訝った。
「リューキュウっていうプロヒーローがいるんですけど、そのヒーローがプロデュースしてる数量限定の香水がどうしても欲しいのですッ!」
プロヒーローがプロデュースしている香水を欲しがるヴィラン...というのが、なんだか可笑しくて笑いそうになってしまったが、キラキラ目を輝かせるトガちゃんを見るとなにも言えなくなってしまった。
行きましょー!と私の手を取り走るトガちゃん。
元気だし、可愛いなぁと思いながらトガちゃんの後をついていく。
「あっ!あれ雄英の生徒じゃん!!」