第18章 期末試験※
『ん.........』
目を開けると知らない天井。
ベッドの上?保健室だろうか......
全身に気だるさがあり、まぶたが重くてしょうがない。
ぼんやりする脳を働かせて、ぽつぽつとある記憶を何とか拾っていく。
教室でイレイザーヘッドと会って
制服を受け取って──
そこから記憶が無い。
ふと、鼻翼をくすぐるような香りがした。
あ.........この香り知ってる。どこか落ち着く匂い。
そして香りの発生源に気づく。意外にもそれは近くにいて、私が寝ているベッドの横に腕を組み座り、やや充血している双眸とばっちり目が合う。
『イレイザーヘッド.........』
まさかいるとは思わなくてついヒーローネームで呼んでしまう。
「目ぇ覚めたか....身体は」
『少し身体がだるいです、あの私......』
「あの後お前は、教室で倒れたんだ。そんで俺がここまで運んで、リカバリーガールに治癒してもらった。......教師の俺が気づけなくて悪かった。」
『あ、いや、別に......先生のせいじゃない』
イレイザーヘッドに......ヒーローに、そんな風に謝られるとむず痒い気分になってしまう......
実際、徹夜で勉強してた私の体調管理が不十分でこうなってるわけだし。
「帰れるか?一応、親御さんに電話しとくが」
『いや、大丈夫です。1人で帰れます。』
親なんてもういないも同然だし、緊急連絡先はどこになってるのだろうか。ドクターのところか、あるいは架空の電話番号か。
まぁ、何でもいいか。