第17章 ヴィラン連合とおべんきょう※微
『ミスター、弔くんと荼毘はいいから続き.......しよ?』
バーチェアをくるりと回転させミスターの方を向けば、思ってた以上にミスターの身体が近くにあって自然とミスターを見上げる体制になってしまった。
「....ッ.....ほーんとこの子は......おじさんをドキドキさせるのが上手いんだから......はい、続きしよーね?」
『あっ......』
私の両肩に手をトンと置き、バーチェアをくるりと回転させてカウンターの方を向かされ再び勉強を教えてもらった。
「悪ィ......黒霧さん...俺ちょっとここ自信ないのよ......。合ってるか、ちと見てもらえます?」
最後の問題で困ったように笑いながらミスターが黒霧に尋ねた。
「えぇ。合ってますよ。Mr.コンプレス。」
「お、黒霧さんサンキュ」
『やーっと終わったー!!』
両腕を大きく伸ばして伸びをした。いつの間にか賑やかだったカウンターには、私と黒霧、ミスターのみでソファにはくつろぎながら弔くんとスピナーはゲームをしていたり、それ以外のみんなは楽しくお話ししていた。
これからは勉強はミスターと、黒霧に教えてもらうか。
「ちゃん、勉強大丈夫そ?」
黒霧が棚からワインのボトルを取り出し、コトコトと静かに音を立てながら注いでく。それを受け取ったミスターが隣に座り、真っ赤に染まったワイングラスをくるくる回しながら聞いてきた。
ヴィラン、という肩書きがなければ黒霧とミスターは何年も営んでるバーのマスターとその常連、と思わせるほど2人の姿が様になっていた。
『うん。ミスター、黒霧ありがとう、2人の説明すごく分かりやすかった!また聞いてもいい?』
「もちろんですよ。。」
「可愛いレディの頼みとあれば喜んで。」
ミスターはそう言うと私の左手をスッと取り、自分の胸の高さまで持ってくると私の手の甲に自分の唇を押し当てた。
『......っ!!』
唇に直接キスされたわけじゃないのに、キスされたところから腕を伝って一瞬で熱が顔まで来たのが分かった。