第3章 終わりで始まり
『弔くーん暇だよー』
ソファーで仰向けになり四肢をだらんと放り投げ死柄木に言う
TVをつければ、No.1ヒーローが、NO.1ヒーローがとその話題で持ちきりでは辟易としていた。
が初めて先生に会ってから月日は経ち、あれから8年が経っていた。の四肢はすらりと伸びやかに、くびれる所とふくらむ所がはっきりした大人の身体にほとんど形が完成されていた。
初めて連れてこられた家はの、飽きたという理由から
こじんまりとした地下のバーへ住居を移していた。
は薄暗い、気味が悪いと黒霧をペシペシ叩きながらクレームを言っていたが死柄木は、酒が飲めるとひそかに喜んでいた。
「、小さい頃から言っているでしょう。お行儀が悪いですよ。......あとし、下着が見えてます.....死柄木弔もニヤニヤしてないでなにか言って下さい。」
ごにょごにょと後半言葉を濁す黒霧。
バーカウンターの中で、黒のベストをピチッと着こなし慣れた手つきでグラスを拭くその姿はまさにバーテンダーそのものだ。
「黒霧、俺はこんなガキに興奮しない。」
カウンターテーブルに座り長い脚を組み頬杖をつきながら言う死柄木。
『先生に...会いたいな...』
ボソッと呟くの言葉にまるで待ってましたと言わんばかりに、3人とも操作してないTVの画面が切り替わり声が聞こえる。
「......キミはそんなに僕を想ってくれてたんだね。嬉しいよ。」
「...は?」
「その声は...」
驚く死柄木と黒霧。
『せん...せい...なの?』
はサンタさんからクリスマスプレゼントを貰った子供のようなキラキラさせた目でTVに近寄るが、先生の姿はなくそこにはただsound onlyと表示された、黒く薄い箱があるだけで不思議そうにペタペタとそのテレビを触り確認する。
「、弔、.....僕はね今ドクターの元にいてね、訳あってここから動くことができないのさ。」
丁寧ながらも鋭い声、は先生のその声が好きだった。
『先生...会いたいよ......』