第15章 破綻JKと礼儀知らず※
「もう力入んないってか?」
揶揄うような荼毘の声が耳元で聞こえた。顎を掴まれ上を向かせられると、すぐそこにある荼毘の熱の篭った青い瞳に目を奪われた。
『荼毘の目......綺麗』
素直にそう思った。静かで官能的な荼毘の声が、触り方が、瞳に、私はすっかり絆されていた。だから私はこの状況でもそんな呑気な事を言ってしまったのかもしれない。
「......フッ.....余裕そうだな...」
艶っぽく、だけど少し泣きそうなその笑み。
どこも見ていないような、目の前の私ですら見えていないようなその瞳は荼毘の寂しさのようなものを垣間見たような気がした。
そう思うと同時に荼毘の唇が私の唇に重なった。
すぐに舌が入ってきて噛み付くようなキスに変わり、まるで今見たものを忘れろというような、上書きしていくようなキス。
『んんっ.....ふ...ン...ぁ...』
「ん......っ......」
クチュ...クチュ...とお互いの舌と舌、唾液と唾液が絡む音が脳に響いていく。
両胸の先端も同時に弄られ、下腹部をつーっと私の欲がつたってる感覚がした。その時に足を擦り合わせのがいけなかった。
荼毘がそれを見逃さなかった。
「フ......脚開けよ」
『っ!!』
意味を理解するより前に、掠れた艶のある低い声が私の背中をゾクゾクとさせた。そしてその声は私の冷静な判断力をいとも簡単に奪っていく。
恥ずかしいのにっ......
疼いて仕方ない私の下腹部は早く触れてほしいと言わんばかりに、ゆっくりと足を広げていった。
「...で?」
『...ぇ......』
荼毘の発言に自分でも聞き取れないくらいの小さな声を発していた。
で?って......なに......?
「どうしてほしいの?俺に」
『っ!!』
後ろから楽しそうに言う荼毘のその言葉に顔がどんどん熱くなる。
あぁ、なんて意地悪な男なんだろう...
でも私はこの声にもう抗えない。
「言わなきゃ分かんねえなァ」
さらに低く掠れた甘い囁きが耳に送り込まれた。
この声......だめッ...
『ひっ....!んあぁッ!!』
荼毘がそう言うと再び、胸を弄られ肩をガブっと思いきり噛まれた。痛いはずなのに、それさえも快楽に変換させられていく。