第14章 怠惰のラスボス
そうして俺たちは、適当な朝ごはんを取って一日を過ごした。
といっても、特に何かした訳ではなかった。意外と雑食なぼんさんは、そこらのMOBを狩って食事をし、海辺まで行って水に感動しているぼんさんの横顔を眺めたり。
それから夜になると、生まれたばかりとはいえまぁまぁ大きな体をしたぼんさんは俺の家には入れないので、外で焚き火を作ってその明かりを囲うように地面に座った。
座ったのは俺だけなんだけど。
ぼんさんはどうやら、眠ることが得意なようだった。体力がないとか疲れやすいではなく、ただそこでダラりと横になるのが好きなフェニックス。
こんな寝てばかりのぼんさんがラスボスだったなんてと思いながらもそれを口にはしないでぼんさんを眺めていると、その淡い色をした紫色の瞳と視線がぶつかり、俺は咄嗟に目を逸らしてしまった。