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紫の瞳をしたラスボスは今日も怠惰を謳歌する

第11章 ネザーへ


「フェニックス、ぼんさんの復活のさせ方を教えて」
 と俺はほぼ無意識にマグマに話しかけていたのである。
 俺はすぐに何をしてるんだと首を振り、立ち上がった。出てくるのはため息だけ。俺はこんなにも、ぼんさんに惹かれていたのだと思うと、あのフェニックスの最後を終わらせた自分のこの手が憎かった。
 マグマは相変わらずブクブクと煮えたぎっている。マグマが返事をする訳がない。諦めて俺は踵を返した。
「……ぼんじゅうるのことを、生き返らせたいのですか?」
「……え?」
 信じられないくらい美しい声がして振り向くと、マグマの海から見たことのない生き物が頭だけ出していて俺は驚いた。
 そこには、エンドラの頭のような赤い生き物が、じっとこちらを見据えていた。
「誰……?」
 思わずそう訊ねると、瞼のようなものが二、三度開いては閉じて、その生き物はこう答えた。
「ワタシは、フェニックスとだけ名乗りましょう」
「本当にいたんだ……」
 俺は小声で呟いて、マグマの色とほとんど見分けのつかないその生き物を見つめた。
「フェニックスの復活には、常にマグマがそばになくてはいけません」呆然とする俺をよそに、マグマ色のフェニックスは話続けた。「貴方のことはよく知ってはいました。なのでこれを、授けましょう」
「え……」
 そう言うなりフェニックスはぽんっと、俺の足元に何かを投げつけた。
 随分手荒な渡し方だなとは思ったが口にはせずにもう一度フェニックスを見やった時にはその姿はもうなく、ただグツグツとマグマが煮えたぎっているだけだった。
 俺は投げ渡されたアイテムを拾ってよく見てみた。一本の赤い剣で、手にするとほんのりと温かく、ぼんさんのタマゴの温度を彷彿とさせるみたいだった。
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