• テキストサイズ

紫の瞳をしたラスボスは今日も怠惰を謳歌する

第10章 約束


 俺はタマゴに触れた。ほんのりと温かくて驚いた。これがフェニックスの……ぼんさんのタマゴなのだろうか。エンドラのタマゴさえこんなにマジマジと観察したことがないから、よく分からなかった。
 タマゴに耳を当てると内側からドクドクと心音のようなものが聞こえた。本能が「生きてる」と囁いた。俺はすかさずブロックを壊し、エンドラのタマゴを取る要領でそのタマゴをドロップさせて手持ちに加えた。それでもタマゴはずっと温かかった。
 それから俺はエンドの出口へ踏み込み、再び自分の寝室に戻ってきた。頭の中はもはや世界をリセットするかしないかではなく、早くぼんさんに会いたいという一心だけだった。
 しかし、どうやって孵化するのかまで聞いていなかった俺は内心は非常に焦っていた。家の中は狭かったからとりあえず外にタマゴを持ち出して設置すると、俺の身長くらいあったんだと改めてその大きさに見取れた。
 次に俺はタマゴは温めるものだろうと判断して周りに木材の切れ端や木の葉を集めて保護をするように囲った。辺りの湧き潰しは適当にはしてたが、より入念に松明を置いて敵MOBが近付かないようにする。
 そうして数日経っても、持ち帰ったタマゴに変化はなかった。
 某タマゴのように地面のブロックを置き換えたりもしてみたが、効果があるのかないかもさっぱり分からないまま時間が経つばかりだったある日、ふと俺はぼんさんから聞いた言葉を色々と思い出したのである。
「俺はネザーから来たのよ」
 そうだ、ネザーだ。
 ぼんさんが孵化するヒントがあるかもしれない。
 俺はそう思い立って早速行動に移した。装備は金のヘルメットだけにして、開きっぱなしのネザーゲートをくぐった。
/ 27ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp